金曜日, 11月 22, 2024
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パタゴニア 海底採鉱の一時停止(モラトリアム)を要請

深海保全連合(Deep Sea Conservation Coalition)と世界自然保護基金(WWF)の共同プレスリリース

以下、深海保全連合(DSCC)によって共有されたプレスリリースです。

 フォルクスワーゲングループ、トリオドス銀行、スカニア、パタゴニアは12月、新興の深海底採鉱産業の一時停止措置(モラトリアム)を求める声明に加わりました。

 世界第二位の自動車メーカー、倫理的に優れた銀行、大手商用車メーカー、サステナブルなアウトドア企業は、BMWグループ、ボルボ・グループ、サムスンSDI、Google、フィリップスなどの大手企業とともに、深海から採掘された鉱物を製品に使用しないことを誓約しています。

 各社が署名した声明は、深海底採鉱ラッシュに歯止めをかけるだけでなく、早急な代替手段を検討、バージン金属の需要の縮小、責任ある地上での採掘方法の開発、クローズドループ型マテリアル経済の必要性も強調しています。

 「フォルクスワーゲンは、将来の世代のために持続可能なモビリティソリューションに継続的に取り組んでいます。これには責任ある原材料サプライチェーンを構築する高い基準も含まれます。海底の採掘は環境に影響を与える恐れがあり、当社は非常に深刻に受け止め、一時停止(モラトリアム)の要請を支持します。」
– Dr. Frauke Eßer, Head of Global Supplier Risk and Sustainability Management, Volkswagen Group Purchasing.

 「深海は地球最大の炭素吸収源であり、気候変動に対する重要な自然のソリューションです。この最高の同盟を破壊するのではなく、守るために私たちは全力を尽くす必要があります。大手企業がこのことを認識し、行動を起こしてくれたことを心強く思います。」
– Jessica Battle, WWF No Deep Seabed Mining Initiative Leader.

 「トリオドス銀行の使命は、社会、環境、文化のポジティブな変化をもたらすためにお金を活用することです。自然界が史上最大の危機を迎えている今、トリオドス銀行は深海底採鉱の一時停止(モラトリアム)が非常に重要だと考えます。地球において深海が果たしている働きを損なう恐れのある産業を許容することはできません。」
– Iris Lether, Investment Strategist, Triodos Investment Management, a subsidiary of Triodos Bank.

  「人類は再生可能なエネルギーへの移行を急速に進めていく必要がありますが、それには責任が伴います。海底を採掘する理由が何であれ、生態系に深刻な脅威を与え、深海に貯留された炭素を放出する危険があることを認識しなければなりません。しかもそれを適切に監督できる可能性は限られています。再生可能エネルギーの追求においては、必要な採掘を最も生態系に責任ある方法で行う必要があります。それは深海採鉱ではありません。採鉱業界が経済的利益のために私たちの土壌や水を奪い続けることは許容できません。私たちは、地球を犠牲にして際限のない成長を強いる資本主義のモデルから脱却する必要があります。」
– Hans Cole, Head of Environmental Activism, Patagonia.

 「フォルクスワーゲングループ、トリオドス銀行、スカニア、パタゴニアが、深海底採鉱に反対し、海底から採取した鉱物を製品に使用しないなど、未来の世代のために海洋保護を支持することを非常にうれしく思います。これに続いてさらに多くの企業が深海底採鉱を拒否し、生命維持に不可欠な生態系を守ることを願っています。」
– Farah Obaidullah, Global Campaigner with the Deep Sea Conservation Coalition.

 誕生して間もない深海底採鉱産業は、太平洋を皮切りに、海面下4〜6キロメートルの場所で鉱物を採掘しようとしています。これらの採掘企業は新しいバッテリーの生産に必要な鉱物と主張していますが、バッテリー技術は採掘なしでも画期的な進歩を遂げています。例えばギガファクトリーを持つスウェーデンのバッテリーメーカー、Northvolt社は今月上旬、100%リサイクルされたニッケル、マンガン、コバルトを使用した世界初のリチウムイオンバッテリー*を発表しました。

 深海保全に対する企業の意識の高まりは、科学者や政策専門家が深海底採掘に伴うリスクについて警告を発してきた成果です。44か国以上、600人以上の海洋科学と政策の専門家もこの新しい業界にストップをかけ**、「数世代をかけても回復できない損害を生物多様性と生態系に与える」「炭素隔離の仕組みと深海の炭素貯留に与える影響が不明」であると警告しこの新興産業の一時停止を呼びかけました。今年、フランス・マルセイユで開催されたIUCN世界自然保護会議でも、深海底採鉱の一時停止(モラトリアム)が圧倒的な支持を得て可決されました。

 Farah Obaidullah氏は次のように述べています。「COP26以降、気候危機への取り組みを強化させるためには、深海、そしてこの環境が炭素の貯留に果たしている重要な役割を認識する必要があります。人類を気候変動の最悪な影響から守ってくれる環境に、産業資源を採掘する新たな領域を切り開くことはできません。」

〇 共同プレスリリース原文
http://www.savethehighseas.org/2021/12/01/business-backlash-against-deep-sea-mining-grows/#more-7542 

〇 各社が署名した声明
https://www.noseabedmining.org/ 

* 100%リサイクルされたニッケル、マンガン、コバルトを使用した世界初のリチウムイオンバッテリー
https://www.cnbc.com/2021/11/12/northvolt-produces-battery-with-recycled-nickel-manganese-cobalt.html 

** 44か国以上、600人以上の海洋科学と政策の専門家の声明
https://www.seabedminingsciencestatement.org/ 

会社概要
パタゴニア・インターナショナル・インク日本支社
Patagonia International Inc., Japan Branch
・所在地:神奈川県横浜市戸塚区川上町91- 1 BELISTA タワー東戸塚5階
・設立年月日:1988年8月23日
・日本支社長:マーティ・ポンフレー
・パタゴニア日本支社公式サイト: www.patagonia.jp

 

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