EFRICA(エフリカ)の南部鉄器スキレット
鉄製品開発あたり、こんなのあったいいなと思っていたアイテム、アイデアがいくつかあり、その中のひとつが具に制限のないホットサンドメーカーでした。私の考えを伝えるべく、ダンボールで模型を作り、機能を解説する動画を撮って及富さんにプレゼン。その模型が原型となりオコゼパンの型作りがスタートしました。ホットサンドパンというイメージで始まった開発ですが、二枚のスキレットを重ね合わせられるというギミックから、ホットサンドに限らず、様々な料理に使えるものにシフトチェンジし試作を重ねました。アルミ製サンプルの段階で片方の焼き面に施した山の部分の高さや間隔、持ち手の長さ、グリップ部の触感、焼き面の縁の角度やアールなど微調整を繰り返しました。実際に鋳造してできた鉄のファーストサンプルで初めてホットサンドを焼いたときの感動は忘れられません。
EFRICAが大事にしているのは作り手が見えるものづくりです。人と道具の繋がり、関わり方は時代の流れとともに少しずつ変わってきました。大量生産、大量消費となった現代でも脈々と受け継がれてきた伝統を守りながらものづくりと向き合う職人さんがいます。オコゼ鉄玉、オコゼパンは伝統的な製法で最初から最後まで職人の手が入り作られています。その手から生まれた道具は商品である前に作品です。実際に生型製法によりひとつひとつ作られていく工程を目にし、職人さんの仕事への誇りや想いを感じ、ものづくりへの向き合い方を学びました。
実際に鉄を流し込む型を秘伝の砂から作ります。鉄器の型を作る様子。生型製法と呼ばれる技法。砂の調合、水分量、細かさを管理するには熟練の技が必要です。
鋳造後、型から出されたオコゼパン。
型から取り出した鉄はをヤスリや砥石を用いて、一つひとつ丹念に仕上げられます。すべての工程に人の手が加わっています。
EFRICAの想いを作家さん、職人さんが丁寧に”かたち”にしてくださいました。我々の大好きな自然あそびで気持ちが高まるギアです。この背景とストーリーがある作品を多くの方に感じていただきたいです。