金曜日, 11月 15, 2024
ホームイベントアジアに世界水準の環境教育”Leave No Trace”を。日本がASEANをリードする。 Global Summit2024で LNT japan登壇

アジアに世界水準の環境教育”Leave No Trace”を。日本がASEANをリードする。 Global Summit2024で LNT japan登壇

世界96か国に導入。2024年10月7日~9日、アメリカ コロラド州で、LNT設立30周年 グローバルサミットにLeave No Trace Japan参加

世界中から300名が参加!シンポジウムや研究発表、ワークショップ等 開催

世界96ヵ国に導入されている環境教育・環境倫理プログラムの”Leave No Trace(以下、LNT)”。設立30周年を迎えた今年の秋、LNTの本部があるアメリカ・コロラド州ボルター市で、LNTグローバルサミットが開催され、アジア圏初となるブランチのLNT japanも参加しました。参加者は、各国のLNT理事や研究者、スポンサーやステイトアドバケイト(州の担当者)等、総勢300名にのぼります。
LEAVE NO TRACE Global Summit 2024

https://www.youtube.com/watch?v=HA7sQqraa8w“>

LEAVE NO TRACE Global Summit2024の様子

“Japan流”LNT実践法を。LNT Japanは設立3年で、既に会員は1,000名目前

設立3年にして、1,000名目前の会員数に、LNTのブランチ4ヵ国目となったLNT Japan。その異例のスピードとクオリティの高さに、各国からの注目度が高く その実績から、”Japan流”LNT実践法を共有すべく、カンファレンス初日に約75分のワークショップを行いました。アメリカ本部が中心となって、各国で育ててきたLNTの考え方やプログラムの在り方を尊重しながら、3年かけて育ててきたLNT Japanの取組と実績に間違いないこと、世界に通用することを証明したとも言える時間かもしれません。

〈プログラム内容〉
Effective Teaching of Leave No Trace: Leave No Trace Japan

〈概要〉
Description

For spreading Leave No Trace in each country, fun, excited, and understandable teaching is essential. Since Leave No Trace in Japan was born from Wilderness Education Association, SPEC (Student-centered, Problem-based, Experiential, Collaborative) which is WEA’s traditional educational principle is used to create LNT lessons and has achieved great effect. In this workshop, attendees will understand the fundamental concept of SPEC and how to use it to create lesson plan.

インターナショナルシンポジウムに、”非英語圏初”のブランチ代表として登壇

3日間に渡り開催されたカンファレンス。最後は国際ブランチ4ヵ国とLNT創設に関係の深いアルゼンチンによる、シンポジウムが行われました。既に96ヵ国に導入されているLNT。そのうちブランチは、カナダ・ニュージーランド・アイルランド・日本の4ヵ国になります。

日本の素晴らしい自然環境を守っていくための大きな課題は、アウトドアビジターが誤った知識を持ったまま、アウトドアに出かけてしまうこと

地域のアウトドア事業者やガイドと一緒に、”LNTを活用した”地域の環境課題の解決に向け、具体的な方法と計画をディスカッション、プランニング、検証をする。
ロングトレイルが日本でも普及しはじめている一方で、”トイレ”のに関する課題が多くあがっている。LNTでは、地域のアウトドア事業者やガイドを対象に、環境配慮をした正しいトイレのテクニックや考え方をテーマにしたプログラムを開催するなど、年間50以上のコースやプログラムを開催している

島国であり類まれな自然環境や文化を保有する国である、ということからも、シンポジウムでは「日本における環境課題、原因」に着眼した質問が飛び交いました。

日本の森林保有率は、国土の約68%と、実に世界で2番目に高いと言われているほど(参照:世界森林資源評価FRA)、日本は自然に恵まれています。かつ、水質の管理技術は世界でもトップクラスで、水道水をそのまま飲めるほど美しい水を抱える国は、世界でも12か国だけと言われており、数々のエビデンスからも日本の自然は大変貴重だと伺えます。

そのため、キャンプや登山、カヌーやSUP等、様々なアウトドアアクティビティが楽しめることも日本の魅力の1つですが、一方で、コロナ渦に起きたアウトドアブームとSNSの普及によって、自然や地域へのダメージが急激に増えていることが、各地で報告をされています。日本の素晴らしい自然環境を守っていくための課題は、まさに、アウトドアを楽しむビジターが〈誤った知識を持ってアウトドアに出かけてしまうこと〉と言えるかもしれません。LNT Japan最大の挑戦は、〈ビジターに正しい知識を提供する事〉と考えます。各地での取組紹介には参加者も大変興味を示していました。

奥多摩地域では、多くのアウトドアやBBQ目的の観光客が集まる。しかし、ゴミは散乱し、焚火跡が多くみられる状況は深刻な地域課題となっている
23年、奥多摩地域に位置する、青梅市釜の淵公園にLNT看板が設置され、徐々にゴミ放置問題は解消に向かっている。地域のアウトドア事業者や自治体に向けたLNT教育も実施

LNTを全てのアジアの国に。
経済環境や社会システムの影響で、優秀な人材や素晴らしい自然・文化を持ったアジアの国々が国際ブランチになることのできる柔軟さが必要

中国で開催した、LNTコース

シンポジウムも終盤となり、LNTは、義務教育に組み込まれている国(アイルランド)が既にあるように、アジア圏での普及・課題について発言してきました。既にアジアの国の多くがLNTを導入していますが、国際ブランチになっているのは日本だけです。その背景には、各国の経済環境(規模)や、社会システムの問題があり、現在のブランチ契約が各国の必ずしも適しているとは言えないと考えます。LNTが提唱する7原則は、普遍的なものであり、また、文化・土地・宗教・官民等は、時として人や国を分けてしまいますが、LNTはそれを繋ぐ力があります。しかし、現在のブランチ契約は、その国の状況によって参加できる可能性が分かれてしまうものになっており、より多くの国がオフィシャルにLNTに参画できる仕組み作りが必要だと考えます。

LNT Japanは、既に中国等でLNTのコース開催や、台湾・マレーシア・中国等の野外指導者や研究者との意見交換会、交流等をスタートしている

既にLNT Japanでは、2023年から中国等を中心としたアジア圏で、LNTコースの開催や各国のLNT関係者との意見交換等を行っています。また、日本独自で毎年開催している「Japan Outdoor Leadership Conference 」でも、中国・台湾・マレーシア・フィリピンから野外指導者を招き、シンポジウムやワークショップを開催してきました。今後LNT Japanは、国内のビジターへの普及活動を中心に行いながら、アジア初のブランチ国として、アジア各国のサポートもしていきます。

〈Leave No Trace Japan〉

LNTとは米国で発祥したアウトドアでの行動基準で、世界94ヵ国に広まっています。環境に与えるインパクトを最小限にして、アウトドアを楽しむための環境倫理プログラムです。すべてのテク ニックが、7つの原則を基にしており、誰にでもわかりやすく、楽しく実践することができます。
HP:https://lntj.jp/

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