江戸勇馬、今城拓海、イサ・アルアダウィ選手が東栄小学校で水泳指導を行いました。
愛知県北設楽郡東栄町の東栄小学校において、岡崎竜城スイミングクラブ(以下、岡崎竜城SC)は、2024年7月3日から4日にかけて、全校生徒91名に向けた水泳指導を行いました。岡崎竜城SCによる東栄町での水泳指導は平成6年(1994年)に始まり、今年でちょうど30年目を迎えます。指導は東栄町B&G海洋センタープールで行われました。今年度の指導は江戸勇馬選手、今城拓海選手、イサ・アルアダウィ選手の3名の現役トップスイマーが指導にあたり、子どもたちと交流しました。
岡崎竜城SCと東栄町の歩み
1973年に愛知県岡崎市で創立された岡崎竜城SCは、国内でスイミングスクールが普及し始めた時期の先駆者として、これまで多くの人々に水泳の楽しさと技術を伝えてきました。クラブの設立者である大森國臣は、中京大学水泳部出身の元水泳選手で、「すべての人に水泳を」というモットーのもと活動を続けてきました。
岡崎竜城SCは、過疎地の子どもたちに水泳指導を提供するために、山間地での指導を続けてきました。東栄町への水泳指導は、当時の旧東栄町立中央小学校の校長先生から指導者不足の相談を受けたことがきっかけです。國臣は自ら山間部の学校を訪れ、時にはビニールプールで、水泳の楽しさと重要性を子どもたちに伝えました。出張指導を開始したころはまだ道路の整備が整っておらず、現在では岡崎市から1時間15分ほどで到着する東栄町も、30年前には片道3時間以上かかっていました。それでも國臣は、子どもたちが水泳と触れ合えるようにと、毎年通い続けました。今でこそ、少しずつ広がっている水泳指導の民間委託ですが、それに先駆けて30年前から岡崎竜城SCが東栄町の小学校と関わらせていただけていることは、当時のスタンダードからして大変斬新なものでした。
東栄町は、人口戦略会議が公表した試算で、2020年から2050年の30年間で若年女性が半分以上減る「消滅可能性自治体」に該当しており、子どもの数は年々減少しています。岡崎竜城SCが東栄町で水泳指導を始めたころは7校あった町内の小学校も、今では1校しか残っていません。しかし、それが今も元気よく学校に通う東栄町の子どもたちから水泳を奪う理由にはならないと考えています。プール施設の老朽化や指導者不足により、水泳指導が行えない地域も今後出てくる可能性が高い昨今、少しでもそれに歯止めをかけられるよう、岡崎竜城SCの取り組みは続きます。
現役競泳選手による水泳指導
今年度の水泳指導には、現役の競泳選手が参加し、子どもたちにとって憧れの存在となる講師陣が揃いました。
江戸勇馬選手:2018年世界短水路日本代表
今城拓海選手:50m 100m自由形愛媛県記録保持者、元ユニバーシアード強化選手
イサ・アルアダウィ選手:競泳オマーン代表、2020東京五輪出場
この二日間のプログラムでは、各日を二部制に分け、午前中に2・3・4年生、午後に1・5・6年生を対象に水泳指導を実施しました。各セッションで子どもたちは泳力に応じて4つのグループに分けられ、それぞれのレベルに合った指導を受けました。
1日目には顔を水につけるのも苦手だった生徒が、2日目が終わる頃にはしっかり潜れるようになるなど、大きな成長を見せる濃度の高いレッスンとなりました。授業の一環として、3名の選手による個人メドレーリレーのモデル泳法を披露した際には、子どもたちから「はやーい!」と歓声が上がり、プールは熱気に包まれました。
この活動を通じて、岡崎竜城SCは地域社会に貢献し、未来を担う子どもたちにスポーツの楽しさと健全な心身の発展を促進することを目指しています。先代の志を胸に、これからも東栄町の子どもたちに競泳の魅力を伝え続けてまいります。
岡崎竜城スイミングクラブについて
50 年の歴史を持つ会社です。市内2校の校舎で子ども向けスイミングスクールを運営し、そこで培った水泳カ リキュラムを各国に提供・伝達する事業も行っています。水泳を通して、努力することの大切さ、苦手を克服 することの充足感、水難から命を守ることの尊さ、そして、目標を達成することの喜びを伝え、子どもたちの 明るい未来に貢献したいと思っています。