木曜日, 11月 21, 2024
ホームイベント「医療的ケア児の災害対応を学ぶ災害学習キャンプ」オンライン報告会を開催

「医療的ケア児の災害対応を学ぶ災害学習キャンプ」オンライン報告会を開催

〜全国の医療的ケアが必要な子どもたちとその家族が活用できるマニュアル・動画を公開〜

重い障害や日常的に医療的ケアが必要な子どもたちの通所施設を運営する一般社団法人Orange Kids’Care Lab.(読み:オレンジキッズケアラボ、所在地:福井県福井市、代表:戸泉めぐみ、以下ケアラボ)は、「災害時等を想定して、不慣れな環境でも自立して行動できるスキルを身に付ける」ことを目的に、「災害学習キャンプ」をはじめ災害対応を学ぶさまざまな取り組みを2023年に実施しました。これらの活動を振り返り、オンライン報告会を2024年2月24日(土)に開催しました。
能登半島地震をはじめ、未曾有の災害に備え、この度の活動の成果物をホームページに取りまとめ、全国の医療的ケアが必要な子どもたちとその家族にも活用いただけるようにしています。

◾️取材依頼はこちらから:https://carelab.jp/support/

  • 「災害学習キャンプ」について

「医療的ケア児の災害対応を学ぶ災害学習キャンプ」オンライン報告会を開催のサブ画像1

「医療的ケア児の災害対応を学ぶ災害学習キャンプ」オンライン報告会を開催のサブ画像2

災害学習キャンプは2023年9月30日-10月1日に、医療的ケア等がある子どもたちとその家族4組を対象として、災害時に必要な備品の確認や、災害用非常食の活用や実食などの取り組みを行いました。また、災害時の対応を身につけながら、参加する家族同士の交流も図りました。

参考:プレスリリース「【医療的ケア等がある子どもと家族のためのキャンプ体験】休暇村越前三国にて、災害非常食の実食や電源確保など、災害時を想定した体験を9月30日、10月1日に開催」

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000125206.html

  • オンライン報告会を開催

「医療的ケア児の災害対応を学ぶ災害学習キャンプ」オンライン報告会を開催のサブ画像3

2024年2月には、報告会をオンライン形式で開催しました。参加者は医療従事者だけでなく、当事者家族など、全国各地から集まりました。会の前半ではケアラボの谷口が今回の活動内容を発表、後半では参加家族からの感想をいただきました。質疑応答では、能登半島地震の発生を受け、具体的な質問が多く寄せられました。全体を通じてキーワードになっていたのが「関係性作り」。物を備えておくことも大事だけれど、何かあった時に頼れる人、自分たちの存在を知ってくれている人との関係性を日頃から作っておくことの重要性を共有しました。

  • 災害学習キャンプに参加されたご家族の感想

・自分たちなりに十分な備えで災害学習キャンプに参加しましたが、実際に体験してみると、足りないと感じる物品がありました。また、普段携帯している電源が最大でどれくらい持つのか試したことがなかったので、今回のキャンプにて電気不足についても実感しました。いつ起こるか分からない災害に備えて、最低限何が必要なのか?私たち家族が欲しいものは何か?気づきが得られたことは大きいです。

・娘は普段と違う環境に置かれるとパニックを起こすことが多いのですが、災害学習キャンプでは普段通りのリズムで食事や睡眠がとれていました。最も心配していたご飯も、非常食をちゃんと食べることが分かり安心しました。ただし、今回初めて寝袋で寝てみましたが、娘が寝袋の擦れる音で寝たり起きたりを繰り返していたので、この子の分だけでも布団は用意しておいた方がいいのではないかと思いました。

「医療的ケア児の災害対応を学ぶ災害学習キャンプ」オンライン報告会を開催のサブ画像4

「医療的ケア児の災害対応を学ぶ災害学習キャンプ」オンライン報告会を開催のサブ画像5

  • 参加者から寄せられた質問と発表者からの回答

Q.支援者側としては、「災害時にどのように支援するといいのか」と考えがちで、また「支援者が皆、無事である」という前提で考えることが多い中で、今回の発表者は誰かの助けを得ようと考えていないことに驚きました。どのようにしたら、このような意識改革ができますか?

A.そもそも周りに頼ろうと思っていなかったので、逆に頼ってもよかったのかと思いました。 災害時に支援が必要であることを事前に周囲の方に理解してもらうこと、普段から近隣住人や自治体との関係づくりが大事だと気づきました。(参加した家族からの回答)

Q.関係性作りがよく出てきましたが、具体的にどのような行動が必要でしょうか?

A.地域の活動になるべく参加したいと思いました。また、ケアラボや訪問看護ステーションの車が自宅に停まっていることで、近隣住人もこの家に何かしら支援が必要な人がいると気づいていると思います。 なので、支援が必要な子がいるということなど、掘り下げた会話をすることから始めたいです。(参加した家族からの回答)

  • ケアに必要な物品や災害時の対応に関する動画やマニュアルを公開

「医療的ケア児の災害対応を学ぶ災害学習キャンプ」オンライン報告会を開催のサブ画像6

この度の活動において、ケアに必要な物品や災害時の対応に関する動画やマニュアルを作成しました。日頃から繰り返しご覧いただくことで、万が一の際に取るべき行動が理解できるようになっています。
ダウンロード:https://carelab.jp/support/

※この活動は公益財団法人ベネッセこども基金「2023年度(第8回)重い病気を抱える子どもの学び支援活動助成」を受けて実施しました。

参考:ベネッセ子ども基金・助成団体紹介ページ

https://benesse-kodomokikin.or.jp/subsidy/interview/2023/0528164.html

  • 今後の取り組み

ケアラボが所属する医療法人オレンジグループは、国内3県で在宅医療を起点とし、衣食住を含んだ事業活動を行う一方、日本で発生した大規模な自然災害に対して医療を含めた生活支援を行ってきたチームでもあります。主なものとしては2016年の熊本地震、2018年の西日本豪雨、同年の北海道胆振東部地震、2019年の令和元年房総半島台風、そして2024年の能登半島地震での支援活動をあげることができます。これらの災害において、オレンジグループは物資や人員、医療機器を迅速に派遣し、現地サポートを提供してきました。ケアラボにおける公益財団法人ベネッセこども基金の助成は2023年度で終了しましたが、今後も災害に関する活動は継続していくほか、オレンジグループ全体としても災害支援には引き続き取り組んでいきます。

参考:オレンジグループの能登半島地震支援について(note)

https://note.com/orange_noto2024/n/na5ce4db282a7?sub_rt=share_b

  • 一般社団法人Orange  Kid’s Care Lab. 概要

「医療的ケア児の災害対応を学ぶ災害学習キャンプ」オンライン報告会を開催のサブ画像7

オレンジキッズケアラボは医療ケアが必要な子どもたちとその家族、誰もが安心して暮らせるまちづくりを目指しています。利用するーされるという関係性ではなく、子どもたちとその家族を含めて、みんなで考え、話し合い、時に専門職がサポートしながら、子どもたちの成長と未来を一緒につくっていくことをミッションとしています。

【代表理事】紅谷浩之、戸泉めぐみ

【所在地】福井県福井市灯明寺3丁目3511

【設 立】2012年4月(グループ創業2011年2月)

【事業内容】障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス事業(居宅介護、生活介護)及び相談支援事業、児童福祉法に基づく障害児通所支援事業(放課後等デイサービス、児童発達支援、居宅訪問型児童発達支援、保育所等訪問支援)及び障害児相談支援事業、制度外事業(就学支援、旅行支援等)

RELATED ARTICLES

返事を書く

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください

Most Popular

Recent Comments