水曜日, 8月 20, 2025
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カナダ・ジャスパーでアルバータ峰初登頂100周年を祝う

日本人による初登頂100周年記念式典とイベント

2025年7月21日、カナダ・アルバータ州西部にあるジャスパー博物館および記念公園において、日本人によるアルバータ初登頂100周年を記念した式典と一連のイベントが開催された。

主催は、カナダ山岳会とジャスパー・イエローヘッド・ミュージアム&アーカイブス(以下、ジャスパー博物館)。日本山岳会からは橋本しをり会長をはじめ30名あまりが出席。松原尚之会員らによる記念のアルバータ峰登頂も果たした。

一連の記念行事は、前夜の歓迎パーティにつづき、7月21日朝9時からジャスパー博物館での登山史家チック・スコット氏による登山史の講演、記念公園での式典と昼食パーティ、マイク・モーティマー氏による頂上に残されたピッケルに関する逸話の講演、アルバータ峰初登頂をイメージした巨大壁画のお披露目があった。

アルバータ峰はカナダのジャスパー国立公園に流れるアサバスカ川渓谷上流部に位置する標高3619mの山で、標高こそ4000mに満たないものの、急峻な切り立った山容をしており、クライミング技術を要する難しい山である。1925年7月21日、槇有恒を隊長とする6人によるアルバータ峰初登頂は、日本初の海外登山隊であり、関東大震災の傷も癒えぬなかで、日本国民を元気づけた出来事だった。

また、登頂の折、山頂に残されたピッケルは長い間行方不明となっていたが、アメリカと日本で分かれて保管されていたことがわかり、1997年の日本山岳会の年次晩餐会席上で元の姿に戻った。この伝説のピッケルはジャスパー博物館で大切に保管・展示されている。

なお100周年を目前とした昨年7月、周辺でおこった大規模な森林火災によって、美しいジャスパーの町は建物の3分の1が焼失するという大災害を被った。ジャスパー博物館は奇跡的に焼失から免れたが、開催が危ぶまれる状況となった。アルバータ初登頂100周年記念イベントはジャスパー市の復興をわずかばかりではあるが支援した。

ジャスパー博物館のアルバータ初登頂をイメージした巨大壁画の前での集合写真
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