水曜日, 7月 9, 2025
ホーム調査レポート【あの登山道、将来使えなくなる?】全国の"山の守人"に聞いた、登山道で、今起きていること

【あの登山道、将来使えなくなる?】全国の”山の守人”に聞いた、登山道で、今起きていること

「遊び手=創り手」の国産アウトドアメーカー 株式会社finetrack(本社:兵庫県神戸市、代表 金山洋太郎)は、登山道や山の環境の現状や課題について、登山道を維持・保全している日本各地の整備団体や山小屋へアンケートを実施いたしました。その結果をお知らせいたします。

※調査結果の詳細は、finetrack公式noteでご覧いただけます。

全国の‟⼭の守⼈”に聞きました。登⼭道で、今起きていること。|株式会社finetrack

アンケート調査の目的

登山道や山の環境の現状や課題について、

① 自分たちが、現状を多様な視点から知り・理解する
② 登山者のみなさまへ、お伝えする
③ 登山者として・アウトドアメーカーとしてできることを探る

アンケート調査の概要

■アンケート対象:登山道を維持・保全している日本各地の整備団体や山小屋

■アンケート期間:2025年5月9日~2025年6月12日

■アンケート方法:インターネット自社アンケートフォーム

■回答数:全国16団体

ご協力いただいた団体様(順不同)

・(一社)大雪山・山守隊/合同会社 北海道山岳整備
・安達太良・吾妻 自然センター
・秩父多摩甲斐トレイルアソシエーション
・表丹沢登山活性化協議会
・神奈川県山岳連盟 自然保護委員会
・(一社)北杜山守隊(南アルプス・甲斐駒ヶ岳、日向山他)
・硫黄岳山荘グループ(南八ヶ岳)
・1095登山道整備隊(北アルプス・徳本峠)
・双六小屋グループ(双六小屋・黒部五郎小舎・鏡平山荘・わさび平小屋)
・薬師トレイルクラブ(北アルプス・薬師岳 折立登山道)
・奥信濃100実行委員会
・摩耶山再生ワーカーズコープ(兵庫・六甲山)
・阿蘇山道整備
・屋久島観光協会ガイド部会・屋久島山岳ガイド連盟
他、2団体様

アンケート結果

アンケート結果の一部をご紹介します。

【全団体が、登山道の維持や保全について「課題がある」と回答】

Q. 登山道の維持や保全について、現在課題がありますか?

登山道の維持・保全について現在「課題がある」と答えたのは16団体で、回答したすべての団体が課題を抱えている、という結果となりました。


【整備保全活動 主な課題は、人員および費用の確保】

Q.課題と感じていることをすべてお選びください。

課題の内容で一番多かったのは「維持・保全・整備人員の確保」。次点は「費用の確保」「土地の所有・管理の体制」と続きました。

行政からの委託金などがある団体でも、ほとんどの団体で維持・保全のための資金は自主事業で賄っているのが現状。加速する登山道の課題に対して、費用も人も足りていない状況のようです。


【多くの登山道が、今後利用できなくなる可能性をはらんでいる】

Q.課題により、利用できない・または近い将来利用ができなくなる登山道はありますか?

課題の深刻度について知るため、抱えている登山道の問題による現在・将来的な道の利用ができなくなる可能性について聞きました。

「現在はないが、将来的に可能性はある」と回答した団体が56%と最多、「近い将来利用できなくなりそうな登山道がある」が38%、「現在利用できない登山道がある」が6%となりました。

最多の回答ではなかったものの、現在利用できない・直近で利用できなくなりそうな登山道を合わせると44%。半数弱の登山道が近い将来利用できなくなる可能性があるということで、事態は決して楽観視できる状況ではなさそうです。


【登山者にもできることは、たくさんある!】

Q.登山道の保全に関して、登山者が利用する上で注意をしてほしいこと・お願いしたいことはありますか?

A. 登山道を外れて歩かない(特にぬかるみを避けて道を外れること)。

A. 歩き方(水たまりなどを避けて登山道から外れて歩く事や、よい写真を撮るために登山道から外れた所に入る事)、ストックの先端のゴムキャップの装着する(植生保護)。

A.登山すること(歩くこと)で、道がこわれ、生態系にダメージがあることを知ってほしい。歩くなということではなく、崩れた登山路が通常ではないことを知ってほしい。また、それを治すすべがあることも知ってほしい。

A.崩れている登山道を意識してほしい。「これが崩れだ」と分かったらSNSで上げてほしい。多くの人が登山道の崩れに気が付き「何とかするべき」という意識が育たなければ管理制度はできない。

登山道や山の環境は、人が歩くことで壊れます。
まずはそれを知ること、
そしてどんな行動が登山道や山にダメージを与えるのか・ダメージを抑えられるのかを考えて行動をしてほしい、という趣旨の回答が多くありました。


【登山者の整備活動への参加 まずは参加して、現状を知ろう】

Q.登山道の現地での整備活動について、一般登山者に人員として参加してほしいですか?

■「ぜひ参加してほしい」

・まずは、興味を持つことが必要なため

・登山道は崩れがあり保全しなければならない、という意識を持ってもらうために参加してほしい。危険もあり技術も必要であり知識も必要な作業だが、それを伝えることができるイベントを企画しているので、ぜひ参加してほしい。

・消費するだけでなく、保全に参加する人、関心のある人を少しでも増やすことで、利用より保全が上回る未来が来ると信じているから。
参加する人の中に、将来的に技術者となって活躍する人もいるかも知れないので、保全活動という世界の人財育成にもなる。

「スキルなどの条件次第では参加してほしい」「参加は必要ない」

・技術が必要でそれを伝える手間がかかるため、もし本当に手伝って頂くなら長期的(3年間など)に来て頂きたい。また、危険を伴うため責任の所在が課題。

・もちろん多くの人に参加してもらうのは理想ですが、まだその受け皿がありません。ゆくゆくはイベントなどにして多くの人に関わってもらえるような体制作りをしていきたいと思います。

「山や登山道のために、登山者ができること」として、頭に浮かぶことのひとつが「登山道整備」のツアーやボランティアなど。

そのような整備作業を、登山者に人員として参加してほしいか?という設問に対しては、「参加してほしい」が44%、「スキルなどの条件次第では参加してほしい」が37%、「参加は必要ない」が19%と、回答が分かれました。理由としては、受け入れ体制の有無によるものが大きいようです。

また、「ぜひ参加してほしい」と回答した団体の、その理由として7件中6件と過半数を占めたのが「登山道の現状を知ってほしい」という趣旨の回答でした。

気になるけれど「知識も経験もない、自分にできるのか?」と思っている方、まずは参加だけでもしてみてはいかがでしょうか?


本記事は、アンケート調査結果の一部抜粋です。

詳細は、finetrack公式noteでご覧いただけます。


【関連リンク】

株式会社finetrack ブランドサイト
https://www.finetrack.com/

未来へつなぐ、ファインなトラック

https://www.finetrack.com/brand/fine-na-track/

登山道を守る人を応援する。finetrack×YAMAP別注ドライレイヤー

https://www.finetrack.com/brand/fine-na-track/drylayer_sp/


finetrackについて

株式会社finetrackは、国内大手総合アウトドアメーカー等で企画開発30年のベテランと、長年アウトドアを実践してきた有志が集まり、国内ベンチャーとして2004年1月に創業。
兵庫県の経営革新計画にも認定された、「遊び手=創り手」のシーズとニーズをダイレクトに結びつけるビジネスモデルで、素材開発からこだわるモノ創りをすすめております。

▽ブランドヒストリー▽
https://www.finetrack.com/brand/

▽ブランドポリシー「遊び手が創り手」▽
https://www.finetrack.com/brand/policy/

▽SDGsの取り組み▽
https://www.finetrack.com/brand/sdgs/

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