北軽井沢のキャンプ場を舞台に、10組のアーティストが創作した作品展。前期は2025年4月4日から5月19日まで『ルオムの森』で開催。

キャンプ場という場はキャンパーだけの場ではなく、誰にとっても開かれた場です。揺らぐ火や木々、生きものの気配や声、太陽と月の存在、怖いくらいの静寂。大きな自然の下で小さな自分を自覚する場。
有限会社きたもっくは、キャンプ場をアーティスト・イン・レジデンスの舞台として活用する企画『アトリエキャビン』を、浅間山の麓に位置するキャンプ場『北軽井沢スウィートグラス』で2023年から開催しています。
成果展を前期・後期の2期に渡り開催


『アトリエキャビン成果展2025』は、24年に北軽井沢スウィートグラスに滞在した10組のアーティストによる、滞在中に制作した作品や、持ち帰ったインスピレーションから展開した作品の展示発表です。アーティストは自らの五感で浅間北麓の風土や資源をリサーチし、自然や人と交流をしました。そこから生まれたイメージや感覚を子どものころのままの純粋さで見つめ直し、作品がうまれる。夢中で「つくる」という行為の豊かさを感じながら、多彩な作品から新たな「問い」や「気付き」が育まれることを期待します。
前期日程:2025/4/4(金)- 5/19(月)
開催場所:ルオムの森 群馬県吾妻郡長野原町北軽井沢1984-239
主催:有限会社きたもっく
入場無料
館内のカフェ、ピッツェリアは営業日が変動します。詳細はHPをご確認ください。
後期は7月の開催を予定しています
成果展 前期展示アーティスト(滞在月順)
CLEMOMO

日々たくさんのことに興味を持って、心を刺激する作品の制作に取り組んでいる。大切なのは、差異と変化に心を開き、ユーモアを持つこと。素材と手法はその都度適するものを選ぶ。アトリエキャビンでは、プレッシャーや締切などというものに気を散らすことなくリラックスした態度で、取り巻く自然環境と人々との出会いに影響を受けながら、さまざまなことを試した。
2024/2 土間のあるコテージトゥーリ 滞在
安達 茉莉子

作家・文筆家として、自己の解放、記憶、暮らし、旅、セルフケアなど、「生」をテーマにした執筆を行う。2023年の2月に北軽井沢を初めて訪れたときに、この土地には何か特別なものがあると感じた。定期的に北軽井沢の地を訪れている。今回の成果展では、その「特別な何か」について言葉を連ね、北軽井沢という土地と、そこに立つひとりの人間の間に起こった出来事や心象風景についてのエッセイ集を発表する。
2024/5 ノースランドコテージ 滞在
山形 敦子

土地の歴史や自然・そこで得た自身の身体感覚から、過去と現在への繋がりを探り作品にしている。手すき紙のコラージュや接着剤、刺繍、ドローイングなどを組み合わせ、平面作品やインスタレーションを制作する。今回は新緑の北軽井沢スウィートグラスで過ごした時間を、自分の身体で感じた記憶を元に小さなコラージュ作品を制作した。
2024/5 土間のあるコテージトゥーリ 滞在
嶋津 晴美

「つながりあう世界」を主題に、自然界の多様性や絶え間ない変化、環境を介して紡がれる相互作用を掬い上げる。絵画やインスタレーション、エンコウスティック技法を通じ、自然界に内在する美しい仕組みとつながりを表現してきた。鬼押出し園の景観とヒカリゴケから着想を得た今回の作品では、微細な構造を視覚化し、細胞をガラス玉、葉緑素をビーズ、鉱物結晶を金属素材で抽象化する。ミクロとマクロが織りなす自然の法則を映し出し、新たな視点を呼び起こす。
2024/7 ノースランドコテージ滞在
半谷 学

私は日々の地図をさまよいながら「MOTTAINAI」ものを探して生きている。私の日頃の作品は暮らしの新発見から生まれている。今回の出品作品も「北軽井沢スウィートグラスで散歩をしたり薪ストーブを眺めているときに見つけた成果です」と、ここに書ければ良かったはずだが未だ滞在体験の反芻途中にあるため、今日のところは「ルオムの森の屋外と屋内に拙作の展示ができることを楽しみにしています」とだけ記そう。正直に。ギコチナク。
2024/12 キャンプコテージヨッホー 滞在
アーティストの掲載写真は参考作品のものを含みます
有限会社きたもっく

きたもっくは活火山浅間山の麓「北軽井沢」で、広葉樹を中心に自伐林業を展開しています。遊休山林や耕作放棄地では植生循環を促す養蜂にも取り組み、木は薪や建築素材に、蜂蜜は食材や加工品として、年間8万人が訪れるキャンプ場『北軽井沢スウィートグラス』や宿泊型ミーティング施設『TAKIVIVA』で主に活用。地域資源の多面的な価値化と、自然と人がつながる場づくりで、地域の未来を持続可能なかたちで創造していく事業展開を行っています。
浅間北麓の地域資源の価値化とキャンプ場をはじめとする場づくりを軸にした循環型地域未来創造事業で、2021年度のグッドデザイン賞において『グッドデザイン金賞』を受賞しました。今後は同じ質の志をもつ他地域の方々との緩やかな連帯を果たすことで、日本の中山間地域における産業モデルの構築を目指していきたいと考えています。
<会社概要>
社 名:有限会社きたもっく
本 社:群馬県吾妻郡長野原町北軽井沢1924-1360
代表者:代表取締役 福嶋 誠
設 立:2000年4月
資本金:1,000万円